特集 肝胆膵
【総論】
2.クロノロジーを意識した身体所見のとり方—肝胆膵疾患での「アート」を磨くために
篠浦 丞
1
Susumu SHINOURA
1
1国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 医療マネジメント学科
pp.571-578
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900580
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第1章では「クロノロジカルに診る」ことについて,時間軸を意識し,疾患を臨床段階の積み重ねという観点からとらえなおすこと,症状の程度の微妙な変化に注目した注意深いアプローチと,診断が確定した段階での丁寧な振り返りが,超急性期の病歴と身体所見把握という「アート」を向上させる唯一の方法であること,超急性期に何の手がかりも見つけられない場合には,あえて「判断回避」をし,一定の時間後に再度診察のうえ,複数の時点での情報から「点診断」を「線診断」にして診断精度を上げるようにするアプローチも有効であること,などに重点をおいて解説した。
本稿ではこれを受けて,肝胆膵疾患を中心とした消化器疾患における「臨床段階」と,超急性期身体所見抽出の道筋を明確化することを目標に,以下の構成で述べる。
・腹痛診療に関連したpearls
・超急性期症状としての「上腹部痛」
・見逃せない疾患の症状群
・腹部部位別鑑別疾患リスト
・関連痛・放散痛
・その他診察において注意すべき点
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