特集 消化管疾患
【コラム】生検結果の解釈:病理医の立場から—特に悪性を疑う病変について
金城 貴夫
1
Takao KINJO
1
1琉球大学医学部 生体検査学講座 形態病理学
pp.781-786
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900339
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消化管の生検診断は,病理医の日常業務のなかで大多数を占めるものの1つである。内視鏡医からすれば,病理医にとって胃や大腸の疾患は普段よく目にするだけに診断が容易であるかのように思われるかもしれない。しかし,実際には胃の腫瘍性病変の良悪の鑑別は場合によってはことのほか難しく,病理医間でも診断が一致しないことも時にある。さらに,標本の挫滅や検体処理の問題,患者の治療の有無や,そもそも標本が小さいことに由来する情報量の不足など,さまざまな問題により確定診断が困難なことが少なくない。そこで本コラムでは,まず胃の生検をめぐるさまざまな問題を概説し,良悪の鑑別が困難な病変や悪性疑いの病変について病理医は何を考え,臨床医に何を望んでいるかを記し,病理医と臨床医の良好な意思疎通をはかることを目的として筆を進めたい。
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