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初心者講座 食道検査法・19
生検組織の読み方(2)悪性病変
How to Diagnose Esophageal Diseases (19)
板橋 正幸
1
Masayuki Itabashi
1
1国立がんセンター研究所病理部
pp.837-840
発行日 1989年7月25日
Published Date 1989/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106522
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はじめに
前回の本講座(1)良性病変に引き続き,(2)悪性病変について,生検組織を読む際の心構えや注意点について述べる.
良性病変の場合と同様に,病理医は臨床情報・内視鏡所見を十分理解して生検組織の検索に臨むことが大切である.また“戦に勝つには敵を知る”ことが大事であると同様に,食道には,どのような病変(癌)があるのか?また,どのような性格(進展の仕方,生物学的態度)の病変・癌があるのかを知っておくことが生検標本を読む第1歩である.X線・内視鏡所見から,どのような生検組織所見がありうるのかを推測しながら―ある意味では結果を知る楽しみを持ちながら―組織検索に当たるぐらいであってほしい.癌の肉眼形態・組織所見は症例により千差万別ではあるが,肉眼所見とは組織学的現象の集積(integration)されたものであるから,両者間には密接な関係があるはずである.その意味で,臨床医も病理医も食道癌の肉眼形態および内視鏡所見と組織学的所見の関連性をよく把握することが重要であり,そうすれば,自ずから,内視鏡所見の読み方,診断,生検の採取部位,更には生検組織所見を読む際の注意点などがわかってくるはずである.
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