特集 消化管疾患
9.小腸,大腸疾患:腸管や血管の閉塞・塞栓—①腸閉塞,ヘルニア
西田 和広
1
,
窪田 忠夫
1
Kazuhiro NISHIDA
1
,
Tadao KUBOTA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 外科
pp.787-793
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900340
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日本の臨床現場をみると「イレウス」と「腸閉塞」という概念が混同して使われている。「イレウス=腸閉塞」として使用する一方で,イレウスの概念のなかには穿孔性虫垂炎や急性膵炎,腸管壊死といった疾患に続発するびまん性の腸管拡張,いわゆる「麻痺性イレウス」も含まれている。このようなケースが「イレウス=腸閉塞」と認知されると,いたずらに保存的治療が継続され,適切な治療の遅れにつながる危険性がある。
本稿ではまず日本と欧米の用語の違いを確認し,その意味を整理する。次に腸閉塞をその形態から理解し,閉塞の形態による症状や所見の違いについて述べる。
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