特集 産婦人科医に必要な臨床病理の知識
病理医の立場より産婦人科臨床医のために—生検を中心に
石川 栄世
1
,
田中 貢
1
,
山下 広
1
,
石川 昭
1
,
小坂井 守
1
Eisei Ishikawa
1
1東京慈恵会医科大学病理学教室
pp.779-784
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203565
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はじめに
病理医と産婦人科医とが接する一番大きな機会は生検を通じてである。産婦人科領域の生検は,従来,欧米またわが国においても産婦人科の手によつて処理されてきたが,最近では病理医がこの領域の材料をとりあつかう機会が多くなつてきたことは,また当然の成行きといわねばならぬ。
周知のごとく,生検によつて診断の「うらずけ」がえられると同時に,これにもとずいて治療方針,予後,また時に治療効果が判定されるのである。従つて,生検を行なう場合には,適応症であるかどうかをきめて,適応症であれば標本の正しいとり方や固定法を用いて施行されるべきである。私共は病理医の立場より生検をとりあつかう場合の注意や方法について記載するとともに,産婦人科医にとつて大事と思われる2,3の関連事項について述べることにする。
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