特集 外来における予防医療
7.一般健診編:⑤性感染症—蔓延しやすい構造だからこそ,予防的介入の効果が高い
菅長 麗依
1
Rei SUGANAGA
1
1亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科
pp.421-430
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900258
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性感染症の最大の問題点は,症状が出にくい(不顕性感染が多い)ことである。そのため,受診につながらず,知らないうちにほかの人に感染させてしまう可能性がある。症状があっても受診しにくい,または受診しても医師に本当のことを話せない,パートナーに伝えられないなど,そもそも蔓延しやすい構造となっている。だからこそ,スクリーニング,教育など予防的介入の効果が高いのである。
性感染症は,不妊や母子感染,また子宮頸癌,望まない妊娠・中絶という健康問題(臨床メモ①)にまで発展するため,世界的にも重大なトピックとなっている1)。一方で,セクシュアルヒストリーの聴取は,医療者にとって大きな障壁となっている2, 3)。本稿では,我々外来診療医がこれらの問題にどのように対峙すべきかにふれながら,性感染症の予防的介入について述べる。
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