特集 メンタルヘルスの視点からみたCOVID-19感染の影響とその対応
総論
感染症蔓延下における妊婦の不安
小畑 聡一朗
1
OBATA Soichiro
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.829-832
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000196
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はじめに
妊娠,出産は女性のメンタルヘルスの悪化のリスクファクターであり,適切な介入は母児の予後を改善するといわれ1),妊産婦のメンタルヘルスケアの重要性はとくに近年重視されるようになった。妊産婦のメンタルヘルスの問題としてはもっとも高頻度にみられる産後うつや,妊産婦が胎児および新生児に対して明るい感情をもてず,愛情の欠如といったネガティブな感情を抱くボンディング障害などがあり2),その内容は多岐にわたる。「産婦人科診療ガイドライン―産科編2020」においても妊娠中および産褥期のメンタルヘルスの評価の重要性が指摘されており3),産褥期にEdinburgh Postnatal Depression Scale(EPDS)などを用いて妊産婦のメンタルヘルスを評価し,必要に応じた介入が推奨されている。
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