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はじめに
韓国は,2020年1月20日に中国人女性(35歳)が中国より入って,COVID-19の感染者に確認されたのが初めての確診事例であった。その後,1月25日,韓国の外交部はCOVID-19の発源地である中国湖北省の全域に対する旅行警報を3段階(撤収勧告)に調整した。2020年2月17日,31番目の確診患者が発生した後,2月20日,新天地大邱教会で38人が感染確診され,COVID-19が社会的に問題になった。そこで,政府は2月23日,政府および地方自治体の防疫当局,そして医療スタッフを含めて対応するために既存の危機警報段階を「警戒」段階より最上位段階である「深刻」段階に格上げすると発表した。それにより,全国の幼稚園,小・中・高校の始業が1週間の延期となり,大学も開講延期とオンライン対面講義のような方法で授業を進行することにした。2020年4月2日0時を基準に,全国で計9976人の確診患者が発生したが,地域別の確診現況を見ると,確診患者のなかで8029人(80.5%)が大邱および慶北地域で集中的に現れた。このうち集団発生の比率を見ると,新天地関連(52.3%),そのほか集団発生(26.8%),散発的発生(17.6%)の順で確認された1)。そのほかにも隔離解除が5828人,死亡者が169人と発表された。2020年6月19日,全世界の新規確診者15万人と1日基準で史上最大の記録を更新しながら,COVID-19が全世界に問題となった。テドロス・アダノム(Tedros Adhanom Ghebreyesus)世界保健機関(WHO)の事務総長は,6月19日(現地時間)スイスのジュネーブで開かれたCOVID-19言論ブリーフィングでパンデミック(世界的大流行)が危ない新しい局面に入ったと発表した2)。彼は「COVID-19のパンデミックが加速化している」と,「世界は新しく危ない段階にある。多くの人は家にいることに疲れているが,ウイルスは相変らず速く広がっていて致命的でありほとんどの人々はこのウイルスに脆弱だ」と指摘した。
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