特集 メンタルヘルスの視点からみたCOVID-19感染の影響とその対応
総論
感染症蔓延下での自粛と予期せぬ妊娠
安達 知子
1
ADACHI Tomoko
1
1総合母子保健センター愛育病院
pp.821-824
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000194
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はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは新規感染者の増加の波を反復しながら現在も引き続いている。この経過のなかで,ウイルスやその感染症の実態が不明で予防や治療法も開発されていなかった2020年3~5月のいわゆる第1波の時期には,とくに厳しい自粛が要請され,他人との接触や外出の制限,社会的経済的活動の低下のみならず,不妊治療なども抑制され,一方で国際的に家庭内暴力(DV)や性暴力の増加などが報道されていた。2020年に,予期せぬ妊娠等をキーワードとした厚生労働科学特別研究事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する母子保健領域の研究)1)」を行ったので,調査の概要と結果を紹介し,さらに継続するコロナ禍の社会における性の問題,予期しない/計画していない妊娠・出産(予期せぬ妊娠等)を減少させる取り組みについて提言する。
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