研究報告
埼玉縣における鈎蟲の蔓延について
小宮 義孝
1
,
相崎 德治郞
2
1國立豫防衞生研究所寄生部
2行田保健所
pp.33-36
発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201014
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昭和24年の寄生蟲保卵者全國統計によれば,蛔蟲保卵者率48.1%に比して,鈎蟲のそれは3.7%に著しく低く,埼玉縣においてもこの關係は蛔蟲の56.3%比して1.7%低率を示している。しかるに高崎氏(1935)は,大正13年-昭和7年にいたる9年間に,埼玉縣各地において,矢尾板氏法により,685,913人に檢便を行い,その34.7%(内譯:北埼47.1%,南埼44.8%,北葛42.2%,北足立38.8%,比企34.4%,兒玉30.8%,大里30.2%,入間27.8%,秩父16.8%,川越市8.2%)の高率を認めている。この兩者の比率の食い違いは,おそらく主として檢査法の差異によるものと考えられる。筆者たちは最近北埼行田保健所所管内で鈎蟲卵檢査を行い,相當高率を示すことを認めたので,以下かんたんにその結果を報告する。
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