特集 メンタルヘルスの視点からみたCOVID-19感染の影響とその対応
感染症蔓延下における妊婦健診・入院・分娩での工夫
新型コロナウイルス感染症蔓延下におけるオンラインを用いた産後健診
西岡 暢子
1
,
石黒 共人
1
NISHIOKA Nobuko
1
,
ISHIGURO Tomohito
1
1越谷市立病院産婦人科
pp.838-841
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000198
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はじめに
2020年2月より新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)によりひき起こされる新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の流行は全世界に及び,わが国でも2020年4月には緊急事態宣言が出された。この影響から多くの医療機関で母親学級や立ち会い分娩の中止,入院中の面会禁止などが行われたほか,新生児訪問などの行政サービスも縮小され妊産婦は孤立しやすい状況に陥り,家族の在宅時間増加によるDV(domestic violence)の増加も問題視されるようになった。COVID-19の流行に伴い,感染に対する不安だけでなく,妊産婦は家族関係や育児など多くのことにストレスを抱えるようになった。埼玉県産婦人科医会では2020年5月27日より妊産婦のCOVID-19に対する不安の解消を目的としてオンライン診療アプリ(CLINICS)を用いた「妊産婦心のケアオンライン相談窓口」を開設し,当院を含めた県内の7つの医療機関が担当した。利用者の88%が産後であり,相談の内容は育児に関することが多かったため,当院では自院で出産した人を対象に2021年8月よりオンラインを用いた産後2週間健診を開始した。当院で行った産後2週間オンライン健診について紹介する。
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