特集 周術期マネジメント
【コラム】surgical site infection(SSI)予防—患者・創の局所的状況・細菌・予防手段の各要素を整理する
齋藤 浩輝
1
Hiroki SAITO
1
1UC Irvine School of Medicine, Department of Medicine, Division of Infectious Diseases
pp.404-415
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900175
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近年,院内感染症はそのmorbidity/mortalityの高さからより注目されるようになってきている。なかでもsurgical site infection(SSI)は,1800年代までさかのぼれるほど歴史の長いものだが,手術の多様化,薬剤耐性菌の出現,さまざまな予防対策の開発,と状況は目まぐるしく変わっている。
本稿ではSSIについて,世界中でどのような影響を及ぼしているかという疫学,現在最も一般的に使われている定義,宿主や細菌といった要素が複雑に絡む病態,抗菌薬の予防投与を中心とした予防手段についてまとめる。最後に,最近のホットなトピックといえるムピロシンやクロルヘキシジンなどによるdecolonizationの概念も紹介する。
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