特集 神経内科
8.Parkinson症候群—診断に迫るパーキンソニズム評価のエッセンス
近藤 円香
1
Madoka KONDO
1
1東京都立神経病院 脳神経内科
pp.121-134
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900028
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Parkinson症候群は,振戦・無動・筋強剛(固縮)・姿勢反射障害などのパーキンソニズムを呈する疾患の総称で,一次性パーキンソニズムであるParkinson病のほかに,変性疾患を主体としたParkinsonプラス症候群(多系統萎縮症,進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症など),非変性疾患が中心の二次性パーキンソニズムが含まれる。変性疾患の分類は病理組織と関連しており複雑で,生前に正確に診断することが難しい症例(特に早期)もある。しかし一方で,丁寧な病歴聴取と身体診察に加え,新しい画像検査などを用いて診断率を向上させられるようになってきている。最も薬物治療の恩恵を受けるのはParkinson病であるが,それ以外のParkinson症候群でもある程度効果がみられる場合もあり,早期の診断と治療が患者のQOLの向上につながる。
本稿ではParkinson病を中心に,Parkinson症候群の各疾患について概説し理解を深めるとともに,診断・治療の際にホスピタリストが注意すべきことについても整理する。
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