特集 神経内科
9.筋萎縮性側索硬化症(ALS)—見逃さないためにしておくこと,苦痛を軽減するためにできること
林 健太郎
1
Kentaro HAYASHI
1
1東京都立神経病院 脳神経内科
pp.135-142
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900029
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筋萎縮性側索硬化症amyotrophic lateral sclerosis(ALS)は,四肢筋力低下,嚥下障害,体重減少をきたし,人工呼吸器の装着を行わなければ平均3〜4年で呼吸不全から死に至る神経難病である。現在のところ治療法は確立されていないが,病態解明の進歩は目覚ましく,患者,家族のために我々医師ができることは,早期診断による心的負担の軽減,早期介入による介護負担の軽減,説明と適切なタイミングの胃瘻造設に加え,適切な栄養療法,人工呼吸器装着についての説明とその選択,コミュニケーションの補助,人工呼吸器装着下での療養のサポート,苦痛除去のための介入など,決して少なくはない。
本稿では,診断を導くうえでポイントとなる知識を整理し,診断後どのように対応すべきかを述べる。
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