特集 ARDSの今を語り尽くす
❷ 新しいARDSの定義と今後の展望—我々はDr. Ashbaughの呪縛から解放されるのか?
則末 泰博
1
Yasuhiro NORISUE
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科 集中治療部門/呼吸器内科
キーワード:
診断基準
,
American-European Consensus Conference定義
,
AECC定義
,
Berlin定義
,
Kigali modification
,
サブフェノタイピング
,
エンドタイプ
Keyword:
診断基準
,
American-European Consensus Conference定義
,
AECC定義
,
Berlin定義
,
Kigali modification
,
サブフェノタイピング
,
エンドタイプ
pp.7-13
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201146
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はじめに
急性呼吸窮迫症候群acute respiratory distress syndrome(ARDS)という言葉は,一体どのような病態を指しているのだろうか? 日常診療で頻繁に使用され,さらに診療ガイドラインが繰り返し作成されてきたにもかかわらず,それが何を意味するのか,これほどまでに不明瞭な概念は珍しいのではないだろうか。2023年7月に,American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌(通称Blue journal)で新しいARDSの定義が提案された1)ことからもわかるように,ARDSの定義は現在進行形で変化を続けている。
このARDSという言葉と定義は今後どのようになっていくのだろうか。本稿では,ARDSの概念の原型から,現在に至るまでの変遷,そして今後の展望について説明する。
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