特集 ICUエコー
Part 2 Intensivistに求められる超音波診断
循環器系
【コラム】ICUにおけるTTEとTEEの使い分け
塩塚 潤二
1
Junji SHIOTSUKA
1
1沖縄県立中部病院 集中治療部
pp.94-100
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200354
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ICUでの経胸壁心エコーtrans-thoracic echocardiography(TTE)と経食道心エコーtrans-esophageal echocardiography(TEE)の使い分けは,手術室での使用や,一般病棟・外来での使用と比較して,以下のような特徴がある。
・ICUでのTTEは,手術室のように清潔領域の維持や体位の問題で,検査施行に制限を受けない。
・ICUでのTEEは外来や一般病棟と異なり気管挿管中の患者が多く,検査施行中の鎮痛・鎮静に関して気道確保について配慮する必要がなく敷居が低い。一方,人工呼吸器管理や血行動態が不安定でTTEでは適正な画像が撮りにくい場合がある。
したがって,一般的な禁忌事項(後述)に当てはまらなければ,ICUは両検査いずれも選択肢となり得る場面が多い。
Summary
●感染性心内膜炎は,TEEなしで否定することはほぼできない。
●卵円孔開存症はTTEにバブル試験を追加することで,TEEとほぼ同等の感度・特異度で診断できる可能性がある。
●大動脈解離はTEEのほうが観察範囲が広く,TTEを施行する意義は不明。
●左心耳内血栓はTEEなしでは否定できない。
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