特集 透析患者の支持療法
【コラム】新しい便秘薬の使い分け
小向 大輔
1
,
宇田 晋
1
1川崎幸病院腎臓内科
キーワード:
浸透圧性下剤
,
上皮機能変容薬
,
胆汁酸トランスポーター阻害薬
,
マグネシウム
Keyword:
浸透圧性下剤
,
上皮機能変容薬
,
胆汁酸トランスポーター阻害薬
,
マグネシウム
pp.1530-1532
発行日 2019年11月10日
Published Date 2019/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001105
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透析患者で便秘が頻発する理由として,① 除水に伴う体液量減少,② リン吸着薬,カリウム吸着薬の使用,③ 糖尿病性神経症による腸蠕動障害,④ 食物繊維制限食,⑤ 腸管血流障害,⑥ 運動不足・腹筋力低下,⑦ 腸管蠕動抑制作用を有する薬剤使用,などが挙げられる.これらには不可避な要因も多く,しばしば下剤が必要となる.本邦の透析患者における便秘対策は,CKD においてマグネシウム含有浸透圧性下剤がマグネシウム蓄積の問題で使用しにくく,保険適応のある適当な薬剤がなかったことから,大腸刺激性下剤(センナ,センノシド,ピコスルファートナトリウム,ビサコジル)を中心とする処方が行われていた.しかしながら,これらの刺激性下剤の長期連用は,耐性や依存性の原因となり,逆に難治性便秘を引き起こしてしまうことが知られている.
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