徹底分析シリーズ TTEを使いこなそう
術前評価におけるTTE活用法—適切なTTE評価で安全な周術期管理を目指す
片山 明
1
Akira KATAYAMA
1
1岡山大学病院 麻酔科蘇生科
pp.950-955
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202348
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周術期管理計画は,十分な術前評価のもとに立てる必要がある。術前評価では,血液生化学検査,胸部X線検査,12誘導心電図検査,呼吸機能検査を必須項目としている施設が多いと思う。そこに患者の重症度や合併疾患,手術侵襲の大小など,さまざまな要因で経胸壁心エコーtrans-thoracic echocardiography(TTE)や各種負荷試験,肺血流シンチグラフィなど追加検査が必要になってくる。TTEは非侵襲的に患者の心機能や弁膜症の重症度などがわかる反面,患者には術前検査が増えることは負担であるし,またコストもかかるため(メモ1),必要な症例を見極めることが重要である。
本稿では,麻酔科医が実際の臨床現場でTTEを必要とする場面や状況,またTTEで得られた所見をどのように理解し麻酔計画に生かしていくか,『2022年改訂版 非心臓手術における合併心疾患の評価と管理に関するガイドライン』1)の内容を中心に述べる。
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