徹底分析シリーズ TTEを使いこなそう
術中急変時のTTE活用法—急変発生! その判断,正しいですか?
渡邊 至
1
Itaru WATANABE
1
1横浜南共済病院 麻酔科
pp.956-963
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202349
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誤解を招くかもしれないが,手術室は“急変の宝庫”である。日々の手術において,麻酔導入前に120/80mmHgであった血圧が,導入後に70/50mmHgに低下すれば,立派な“急変”であろう。麻酔科医は術前の情報や状況から判断し,このような場面でも昇圧薬を投与するなどして,急変と意識することなく対応している。一方,消化管穿孔や外傷などの緊急手術においては,麻酔開始前,すでに患者は日常生活からは“急変”しており,ABCD評価を誤ると危機的な状況に陥るのは,麻酔科医であれば誰しも経験したことがあるだろう。手術室におけるTTEは,特に急変時に高い指向性を発揮する強力な“武器”であり,しかも必要な機能(view)に焦点を絞れば技術習得は難しくない。
本稿では,そのポテンシャルについて解説し,読者に明日からの臨床で使ってみようかなと感じさせることを目標とする。
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