特集 産科ICU
【コラム】妊婦の急性腎傷害(PRAKI)—末期腎不全に至る重症例に注意する
福田 奈尾子
1,2
Naoko FUKUDA
1,2
1東京都立墨東病院 産婦人科
2東京大学大学院医学系研究科 救急医学
pp.460-463
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200283
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先進国における妊婦の急性腎傷害pregnancy related acute kidney injury(PRAKI)は,1960年代と比較すると急速に減少し,15000〜20000例に1例の割合となっている1,2)。その理由として,人工妊娠中絶が合法化されたことにより敗血症性流産septic abortionが減少したこと,そして妊娠高血圧症候群pregnancy induced hypertension(PIH)などのPRAKIを起こし得る疾患に対する管理が大きく改善されたことが挙げられる。しかしPRAKIによる母体・胎児への影響は大きく,合併した場合の死亡リスクは上昇する。
Summary
●PRAKIはまれだが重症になることがあり,注意が必要である。
●敗血症性流産や分娩時の大量出血,PIH,HUSなどの疾患にはPRAKIが合併することがあり,早期診断,早期治療が重要である。
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