症例による透析患者の画像診断
CT検査が診断に有用であったものの,末期腎不全に至った活動性尿路結核の1例
大野 和寿
1
,
平田 真美
1
,
神永 洋彰
1
,
吉澤 寛道
1
,
今井 利美
1
,
秋元 哲
1
,
齋藤 修
1
,
長田 太助
1
1自治医科大学内科学講座腎臓内科学部門
キーワード:
尿路結核
,
尿管狭窄
,
末期腎不全
Keyword:
尿路結核
,
尿管狭窄
,
末期腎不全
pp.1415-1419
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001959
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結核菌はほとんどの場合,肺を進入門戸として人体に侵入し,ほかの感染経路はきわめて例外的であるため,体内で最も頻度の高い結核の感染巣は肺である.尿路結核は肺外の病巣としてはリンパ節,胸膜に次いで3番目に多く,尿路結核をきたす患者は肺結核患者全体の2〜20%を占めているとされている).尿路結核では肺から侵入した結核菌が血行性に腎臓に到達し,そこから尿管・膀胱へと感染が広がると尿管の狭窄と閉塞,水腎症をきたす.今回われわれは,両側尿管狭窄を背景に末期腎不全に至ったものの,CT検査を契機に診断しえた活動性尿路結核の1例を経験したため報告する.
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