特集 産科ICU
13.妊娠高血圧症候群—ICUでの母体管理に向けて
鳴本 敬一郎
1
,
杉村 基
1
Keiichiro NARUMOTO
1
,
Motoi SUGIMURA
1
1浜松医科大学 産婦人科家庭医療学講座
pp.441-458
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200282
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非特異的な症状にもかかわらず,急速に重篤化し,母児の予後に大きく影響を与え得る妊娠高血圧症候群について,集中治療に携わる各科専門医が産科専門医と共通認識をもつことは効率的かつ効果的な治療を行ううえで重要である。2015年3月,日本妊娠高血圧学会より『妊娠高血圧症候群の診療指針2015』1)(以下,診療指針2015)が発刊され,妊娠高血圧症候群の基礎,予防,管理,合併症の管理,長期予後など多領域にわたり,分子レベルから現場で使用できる実践的な内容まで詳細な指針が示されている。本稿では,この診療指針2015に則しながら,妊娠高血圧症候群,それに関連したHELLP症候群,常位胎盤早期剝離,播種性血管内凝固症候群(DIC),子癇について解説するとともに,最新のデータを紹介していく。
Summary
●ICUは,緊急高血圧症,妊娠高血圧腎症重症,子癇,常位胎盤早期剝離,DICなどの管理において,重要な役割を担う。
●妊娠高血圧症候群,特に重症高血圧や緊急高血圧症に対する降圧療法,緊急に対応が必要となるHELLP症候群や子癇に対する管理法,DICの迅速な察知のための注意すべき観察・診察項目や抗DIC療法について押さえておきたい。
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