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連載 緩和医療のアップデート・Vol.7
末期腎不全
-――透析の見合わせの現状と課題
End-stage kidney disease
――Current status and issues of forgoing dialysis
足立 誠司
1
Seiji ADACHI
1
1国民健康保険智頭病院
キーワード:
保存的腎臓療法
,
症状緩和
,
意思決定支援
Keyword:
保存的腎臓療法
,
症状緩和
,
意思決定支援
pp.529-535
発行日 2024年5月18日
Published Date 2024/5/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289070529
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◎透析患者の高齢化に伴い透析の見合わせが増加し,保存的腎臓療法の選択について意思決定支援やQOL向上のための緩和ケアの重要性が高まっている.ただ,末期腎不全の症状緩和は,十分に行われているとはいえない現状があり,症状を早期に同定し,適切に評価した後に,マネジメントを積極的に行う必要がある.また,透析の見合わせに関する実態調査からは,共同意思決定やアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実施体制整備が十分ではない現状がうかがわれる.腎代替療法と保存的腎臓療法を比較したシステマティックレビューでは,QOLについては同等あるいはメンタルヘルス関連のQOLは保存的腎臓療法の方が良好であるという海外報告はあるが,わが国において保存的腎臓療法が腎代替療法に比較しQOL向上に寄与するかのエビデンスは,十分とはいえない現状である.
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