特集 産科ICU
12.循環器疾患の管理—妊娠前のリスク層別化から周産期の管理まで
中村 智弘
1
Tomohiro NAKAMURA
1
1さいたま市民医療センター 循環器科
pp.429-440
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200281
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先天性心疾患の管理・治療の進歩により,心疾患を有する妊娠可能な女性の数は増加している。心疾患を合併した女性の妊娠は,総妊娠数の0.5〜4%と報告されており,また,最近では妊娠・出産の高齢化に伴い周産期の心血管合併症に関しては,注意が必要となる1〜3)。本稿では,日本循環器学会,欧州心臓病学会(ESC*1),米国心臓病学会(ACC*2)および米国心臓協会(AHA*3)のガイドライン4〜6)を参考に,日常臨床で遭遇する頻度が高いと考えられる人工弁置換術後,大動脈疾患,虚血性心疾患,周産期心筋症を中心に妊娠前と妊娠中の管理について述べる。
Summary
●心疾患を有する女性の妊娠・出産は増加している。
●妊娠前のスクリーニングとリスク層別化が重要である。
●中等度以上のリスクがある場合は多面的チーム医療での管理が望ましく,妊娠中のみならず出産後もフォローする。
●薬物による母胎への影響は常に考慮し,ガイドラインを参照に使用する。
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