特集 臨床医に必要な対策型胃内視鏡検診の知識
胃がんリスク層別化を考慮した胃内視鏡検診
水野 靖大
1
1マールクリニック横須賀
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
アウトカム評価(保健医療)
,
費用効果分析
,
リスク評価
,
横須賀市
Keyword:
Stomach Neoplasms
,
Mass Screening
,
Gastroscopy
,
Risk Assessment
,
Outcome Assessment, Health Care
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
pp.1865-1872
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020105053
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
横須賀市では、平成24(2012)年度から胃がんリスク層別化検査を唯一の胃がん検診として採用した。胃がん発見率は0.51%と良好である。要精検率は45.8%と高いが、胃炎検診の側面もあると考えると妥当であろう。ちなみに陽性反応適中率は1.35%である。5年間は再受検できないため受検率の直接比較は困難だが、5年間で対象者の35.1%が受検しており、以前の上部消化管X線検査に比べて受検率は高いと考えられる。原因は採血のみという手軽さ、低侵襲性であろう。胃がんリスク層別化検査は受検障壁が低いので、高い受検率が担保でき、その適切な対象集約は胃内視鏡検診のマンパワー対策に貢献しコストを削減する。しかも、このような優れたゲートウェイ機能をもちながら、胃がんを発症していないHelicobacter pylori感染者を除菌に誘導し、胃がん発症リスクを低減させる役割も担う。胃がんリスク層別化検査は胃内視鏡検査前の1.5次予防として必須なものと考える。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.