特集 全身性強皮症―皮膚だけではなく全身性の自己免疫疾患
[Chapter 4] 新規治療戦略
免疫フェノタイプによる層別化
-精密医療への挑戦
久保 智史
1
,
田中 良哉
1
1産業医科大学医学部 第一内科学講座
キーワード:
全身性強皮症(SSc)
,
免疫フェノタイプ
,
フローサイトメトリー
Keyword:
全身性強皮症(SSc)
,
免疫フェノタイプ
,
フローサイトメトリー
pp.118-121
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_118
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★全身性強皮症(SSc)の病態には自然免疫と獲得免疫の両方が関与し,とくにM2マクロファージやリンパ球が重要な役割を果たしている.
★★SScの臓器障害の多くは血管障害を基盤としており,爪郭部毛細血管の異常は早期診断と予後予測に有用である.
★★★SScの治療反応性は症例ごとに異なっており,患者間の病態の多様性が示唆される.
★SSc患者の免疫フェノタイプは微小血管障害の進展と関連しており,免疫フェノタイプに基づいた患者の層別化とそれに対応する治療が期待される.
★SScにおける精密医療への展望はまだまだ難しいが,病態の多様性の理解に資する研究が今後も求められている.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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