PCAS
【コラム】脳のモニタリング—心拍再開後の脳血流代謝の経時的変化
黒田 泰弘
1
Yasuhiro KURODA
1
1香川大学医学部 救急災害医学
pp.192-202
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200148
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心拍再開後症候群(PCAS)における自己心拍再開(ROSC)後の脳循環代謝を取り上げる。まず脳循環代謝の基礎を述べ,そのモニタリングとして内頸静脈酸素飽和度,頭蓋内圧,マイクロダイアライシス,経頭蓋Doppler法,およびPETなどによる脳循環代謝測定を解説する。最後に,ROSC後の脳循環代謝量と転帰との関係を検討する。神経集中治療においては,モニタリング異常値と病態と合わせて理解し対応する必要がある。
Summary
●脳モニタリングはそのカバーする範囲および,連続的に把握できるものかどうかに注意して使用することが必要である。1つのモニタリングパラメータで評価することはできず,組み合わせて判断する必要がある。
●ROSC後24時間前後で一過性に極度の脳充血を示した例,極度のCBF低値が持続する例,極度のCMRO2あるいはCMRglu低値が持続する例,SjO2が極めて高値(>90%)あるいは低値(<40%)が持続する症例,は転帰不良と関係する可能性がある。CMRO2およびCMRgluの評価においては,鎮静薬および低体温療法の影響も考慮して検討することが必要である。
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