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2009年1月に刊行されたIntensivist誌創刊号「特集ARDS」から数えて,本号 「特集ARDS Berlinその後」で25冊目になる。個人的に25という数字に思い入れがあるせいもあり,「ようやく一周したか」というぼんやりとした感慨がある。そもそも,同じテーマを扱う理由はネタ切れというネガティブなものではなく,創刊号「特集ARDS」の内容が多少古くなり,さすがに更新が必要であると,僕ら自身が自然に思えるようになったからである。ARDSとならび集中治療医学の二大巨頭の1つである敗血症に関しても,敗血症ガイドラインSurviving Sepsis Campaign Guideline (SSCG)のアップデートに合わせて内容を更新しておく必要があり,2014年3号「特集Severe Sepsis & Septic Shock」で2009年第2号「特集Sepsis」の内容をアップデートしたが,こちらも,僕らが自然に「そろそろ内容の更新が必要だ」と感じたという背景があった。
このように僕らが,両テーマに関して再度特集する“時が来た”と感じたのは,おそらくこの6年間に重要な臨床研究データが蓄積したからであろう。確かに,2009年には誌面に「Aという治療法が優れているか不明である」「Aという管理法は将来有望であるが,今後より質の高い研究で検証される必要がある」などの曖昧な言い回しが並んでいたが,最新号では「より質の高い研究の結果Aの有望性が高くなった(あるいは低くなった)」「Aを選択する(あるいは選択しない)ことに十分な根拠がある」などの言い回しが増え,かつて「目の前の患者を前にどうすればよいか知りたいのに,曖昧な表現で語られても困る」と感じていた読者に,少しは自信のある回答を提供することができるようになった。敗血症にしてもARDSにしても,その管理はそれなりに成長したのであろう。
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