境界領域
阻血肢の血流再開後における代謝性変化
繁冨 頼雄
1
,
左利 厚生
2
,
石川 敏三
2
Yorio SHIGETOMI
1
1山口大学医学部整形外科学教室
2山口大学医学部麻酔学教室
pp.1039-1043
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904627
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はじめに
下肢など大きい部位が長時間阻血されると,tourniquet shock,declamping shock,crush syndromeといわれる全身障害をひきおこすことはよく知られている.その本態は未だ不明の点があるが,血流再開後におこる代謝性acidosis,高K血症,循環血液量減少,末梢循環障害が重要な病態生理学的変化としてあげられている1).われわれは整形外科手術で広く行なわれている四肢の阻血1.5〜2時間後におこる全身血の血液化学的変化を臨床例について検討し,従来主に動物について報告されている長時間阻血後の血流再開時の変化と質的に同じ変化が短時間出現することを確かめ,その意義と対策について考察した.
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