特集 CCUの現状を識る:循環器医がするべきこと
識る 心拍再開後の集中治療の進歩 CCUの役割
野々木 宏
1
1静岡県立総合病院 集中治療センター
キーワード:
CCU
,
心室細動
,
心電図
,
低体温療法
,
Evidence-Based Medicine
,
クリティカルケア
,
多施設共同研究
,
経皮的冠状動脈インターベンション
,
院外心停止
Keyword:
Coronary Care Units
,
Critical Care
,
Electrocardiography
,
Hypothermia, Induced
,
Ventricular Fibrillation
,
Multicenter Studies as Topic
,
Evidence-Based Medicine
,
Out-of-Hospital Cardiac Arrest
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.1026-1031
発行日 2017年10月9日
Published Date 2017/10/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017402196
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
目撃のある心原性心室細動(ventricular fibrillation;VF)の神経学的転帰良好な救命率(社会復帰率)は増加したが,院外心停止全例の救命率はなお低率である。社会復帰率をさらに増加させるためには,救命の連鎖を強化し,市民への心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation;CPR)普及とともに病院での心拍再開後の集中治療の普及啓発が待たれる。心拍再開後の集中治療では,経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support;PCPS)などの補助循環を使用しながら血行動態の安定化を行い,体温管理療法を導入し,心原性が疑われる場合には積極的に冠動脈造影(coronary angiography;CAG)を実施し,適応があれば経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention;PCI)を実施することが推奨される。これらの治療法には救急救命士,救急医,循環器医,集中治療医に加え,看護師や臨床工学士などを含めたチーム医療が不可欠である。迅速で安全性の高いチーム医療の実践には,標準的なトレーニング方法が必要である。チームリーダーとして求められるのはCCUにおける循環器医であり,血行動態の安定とともに心筋保護,脳保護の方法に精通する必要がある。本稿では,わが国からの体温管理療法に関するエビデンスの紹介とその標準化を目指した心拍再開後集中治療トレーニングの実際について解説する。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.