特集 PCAS
Part 3 心拍再開後の治療
5.心拍再開後のてんかん・ミオクローヌスの管理—治療薬物と持続脳波モニタリング
横堀 將司
1,2
Shoji YOKOBORI
1,2
1日本医科大学付属病院 高度救命救急センター 脳神経救急部門
2日本医科大学大学院医学研究科 救急医学分野
pp.727-732
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200110
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PCAS患者において,脳波異常,痙攣やミオクローヌスは,まれならずみられる。PCAS患者の痙攣は強力な予後不良因子と考えられるが,PCASにおける痙攣やミオクローヌスをどのように治療するか,これらの治療が患者予後を改善させるのかについて,文献をふまえ記載する。
Summary
●心停止後症候群(PCAS)患者において,まれならず脳波異常,痙攣やミオクローヌスが出現する。
●最近のガイドラインでは「可視的な症状(発作)の有無によらず,臨床的あるいは電気的(脳波で確認できる)てんかん活動が少なくとも5分以上続く場合,あるいはてんかん活動が回復なく反復し,5分以上続く場合」をてんかん重積状態(SE)と定義している。
●SEは,全身痙攣が症状の主体である痙攣性てんかん重積状態(CSE)と,痙攣を伴わない非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)に分類される。また,SEのうち,抗てんかん薬2剤による適切な治療を行っても,てんかん発作が治まらない状態を難治性てんかん重積状態(RSE)と分類する。
●ミオクローヌスは突然の筋収縮により生じる体のぴくつき,不随意運動を指す。ミオクローヌスが持続するてんかん重積状態をmyoclonic status epilepticus(MSE)という。
●持続脳波モニタリングは,低体温療法中においても,脳波異常の確認からNCSEを診断可能であり,また,患者予後予測にも有効であるが,これが治療の指標となり患者予後改善に関与するかは依然明らかになっていない。
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