特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
14.ARDS
川城 丈夫
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.180-181
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900987
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ARDS(adult respiratory distress syndrome,成人呼吸促迫症候群)は「生体がこうむった何らかの侵襲に引き続いて生じる肺の炎症(損傷)による微小血管透過性亢進肺水腫を主な病態とする急性進行性の呼吸不全」である.ARDSの誘因となる生体への侵襲は肺以外の臓器に対する侵襲(肺外性侵襲)であることも,肺に対する直接の侵襲(肺内性侵襲)であることもある.またARDSは元来肺疾患を認めなかった症例にも,侵襲をこうむる以前より肺疾患が既に存在していた症例にも生じ得る.生体への侵襲が発生してから成人呼吸促迫症候群が発症するまでの時間は数時間から約72時間であることが多いが,症例によってはより緩徐に発症することも経験されている.
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