Japanese
English
Bedside Teaching
ARDSとDIC—特にARDSの成因に関する最近の知見から
ARDS and DIC:Modern concept of etiology of ARDS
窪田 達也
1
Tatsuya Kubota
1
1自治医科大学集中治療部
1Dept. of Intensive Care Unit, Jichi Medical School
pp.1003-1012
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204092
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最近のARDSに関する実験的研究には目覚ましいものがあり,特にendotoxin shockモデルにおける肺障害因子の解明にはきわめて興味ある知見が得られつつある1.11)。
1970年初期のBlaisdellら2),Hardaway3)の報告による肺毛細血管内微小血栓形成の所見はARDSの成因としてDICを強く示唆するものであった。この仮説を強く支持する報告も多いが4,5),両者の直接的関連性に疑問を持つ報告もあり6),明確な結論は得られないままであった。近年,補体の活性化と白血球凝集(complement—induced leukocyte aggregation,CLAと略す)との関連が注目され7),さらにneutrophil protease8),prosta—glandin(PG)系物質9)の遊離,細網内皮系10)の関与など,種々の因子の解明が進み,その相互作用が検討されつつあり,臨床的立場からもARDSの治療面で再検討を必要とする時期に来ているのかもしれない。
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