Japanese
English
特集 術後合併症の診断と対策
ARDS
Diagnosis and Management of Postoperative Complications: Adult Respiratory Distress Syndrome
吉竹 毅
1
,
井上 宏司
1
,
高浜 龍彦
1
Tsuyoshi Yoshitake
1
1埼玉医科大学総合医療センター第1外科
pp.949-954
発行日 1986年12月20日
Published Date 1986/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204385
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はじめに
ARDS (Adult Respiratory Distress Syndrome)は1967年Ashbaugh,Pettyら1)が通常の治療法では反応しない重症呼吸不全についての記載に始まり,これらの臨床所見が未熟児のIRDS (Idiopa-thic Respiratory Distress Syndrome)に類似していることを示し,1971年Petty, Ashbaughら2)が成因の異なる臨床像の同じこれらの呼吸不全を総括してARDSとする提案を行つたことが最初である。以後,基礎的,臨床的な多くの検索が行われたが,その本態については明瞭性を欠く部分が多く存在するが,肺毛細血管内圧の上昇をみず肺毛細血管の透過性亢進による急性肺水腫の一種であろうと考えられている3)。
原因が多様で本態が捕えどころがなく,定義においても漠然とした点があり,急性呼吸不全例をすべてARDSとする危険性も含まれている。ここにおいては現在までの報告を参考としてARDSについて述べてみたいと考える。
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