特集 ICUルーチン
第1章 ICUにおけるケア
7.カフ上部吸引孔付き気管チューブをルーチン使用してよいか?―適正使用される前提のもと,全例でルーチン使用を
志馬 伸朗
1
Nobuaki SHIME
1
1国立病院機構京都医療センター救命救急センター・救命救急科・感染制御部
pp.199-202
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100644
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人工呼吸器関連肺炎ventilator-associated pneumonia(VAP)は,人工呼吸中の患者にまれでない頻度で発生する重篤な合併症である。その発生機序には,いわゆる広義の“誤嚥”が大きく関与している。カフ上部吸引孔付き気管チューブによる分泌物の吸引は,誤嚥防止の観点からVAP予防に有望な介入であるとされてきた。本稿では,この特殊気管チューブのルーチン使用の是非について再考する。
Summary
●カフ上部吸引孔付き気管チューブによる分泌物の吸引には,誤嚥防止効果がある。
●カフ上部吸引孔付き気管チューブにより,50%のVAP発生軽減効果が得られる。
●コストや合併症,適正使用の問題を解決する必要がある。
●現時点ではルーチン使用を考慮してよい。
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