特集 医療材料の適正使用に向けて
見直しの実際
1・気管内吸引―吸引カテーテルの適正使用
逢坂 範子
1
1緑成会病院看護部
pp.446-450
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901216
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はじめに
医療用ディスポ製品の国内出荷額は年々増加の方向で推移し,特にチューブとカテーテルの伸び率が著しいというデータが,ある雑誌に紹介されていた1)。この理由として,ディスポ製品が医療の効率化や省力化に欠かせないことや院内感染の予防対策に欠かせないこと,などがあげられている。
気管内吸引は,意識障害や気管内挿管中,気管切開の患者など,自力では痰の喀出が困難な場合,気道が本来持っている正常な機能や形態を維持できるように援助する技術である。これまで,やはり感染予防の点から,使用物品は1回ごとの使い捨てが望ましいとされ,吸引カテーテルや滅菌手袋などディスポ製品の使用が奨励・促進されてきた。反面,この処置にかかる医療材料費の患者への自費請求ができないため,診療報酬を超える費用はすべて病院の持ち出しとなり,廃棄処理にかかるコストを含め病院経営を圧迫しつつあることも事実ではないかと思われる。そこで,
①安全性と経済性の視点から,吸引操作における医療材料の適正使用および消毒薬の有用性を見直す
②環境問題を視野に入れ医療廃棄物の減少を図るの2点を目的に,「気管内吸引」の手順について聞き取り調査を実施し,コストの削減および業務の簡略化につながる方法を見出せたので,報告したい。
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