特集 疼痛・興奮・譫妄
8.譫妄の発症メカニズム―危険因子,予防法
藤澤 美智子
1
,
武居 哲洋
1
Michiko FUJISAWA
1
,
Tetsuhiro TAKEI
1
1横浜市立みなと赤十字病院 集中治療部
pp.65-72
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100620
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気管挿管されたICU患者に対しても使用可能な譫妄診断ツールが2001年に発表されて以来,統一された診断基準のもとでICUにおける譫妄の知見が多く集積されてきた。その発症が死亡率をも左右すると注目されている譫妄だが,さまざまな病態と関連し,多くの因子が絡み合うその概念は曖昧でとらえがたい。
本稿では,現時点で示唆されている譫妄の発症メカニズムを紐解き,さらに危険因子,予防法についても言及したい。
Summary
●譫妄とは単なる不穏や興奮状態のことではない。
●譫妄とは脳における臓器不全症状の一形態である。
●譫妄のメカニズムにはアセチルコリン,ドパミン,セロトニンなどの神経伝達物質の不均衡や炎症性メディエータ,コルチゾールが関与していると考えられている。
●ICUにおける譫妄の危険因子は多く,発症率も高い。
●譫妄の発症予防や期間短縮にマルチコンポーネントプロトコルや早期可動化が有効な可能性がある。
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