連載 コンサルテーション・リエゾン精神科集中講義・第1回【新連載】
譫妄を知ろう
松木 隆志
1
1Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, Mount Sinai Beth Israel Icahn School of Medicine at Mount Sinai
pp.558-570
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900380
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内科系,外科系の医師が日々の診療で最も対応に苦慮するのが精神科関連の問題ではないだろうか。日本の医療機関では,精神科のコンサルトが容易にできる環境が整っている施設はまだまだまれであり,身体科の医師が精神科的な問題にも自ら対処せざるを得ない状況におかれている。米国では,総合病院の多くにはコンサルテーション・リエゾン精神科consultation-liaison(C/L)psychiatry*1とよばれる精神科のサブスペシャリティ部門があり,精神科のなかでも比較的独立性の高い部門として存在している。総合病院での主な業務は他科の入院患者へのコンサルテーションの対応であるが,外来部門でもHIVクリニック,ペインクリニックなどのほか,神経難病や悪性腫瘍のクリニックなど,身体医学,精神医学の両面からの包括的な対応が求められる領域で,その活躍の場を広げている。本稿では,日本において身体科の医師が病棟管理,外来においてしばしば対応を求められるであろう精神科的な問題について,C/L Psychiatryの観点から解説する。
今回は,身体科において最も多く遭遇する精神科的病態である譫妄を取り上げる。
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