特集 疼痛・興奮・譫妄
3.疼痛,興奮,譫妄に用いる薬物の薬理学―それぞれの薬物を有効に使用するために
鈴木 武志
1
Takeshi SUZUKI
1
1慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
pp.21-27
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100614
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ICUでは人工呼吸器管理患者を中心に,疼痛,興奮,譫妄に対してさまざまな薬物を使用する機会が多い。状況に応じて的確にこれらの薬物を使用するためには,十分な薬理学的知識をもつ必要がある。
本稿では,ICUで頻繁に使用されるこれらの薬物に関して知っておくべき薬理学的知識を,最近の知見をふまえながら概説していく。
Summary
●鎮静薬,鎮痛薬,抗譫妄薬を適切に使用するためには,その作用機序や使用量,蓄積性や代謝経路などの各薬物の特性を理解しておく必要がある。
●ICUには肝・腎機能障害を呈している患者が多く,各薬物の過剰投与には注意を要する。
●麻薬性鎮痛薬による疼痛コントロールは,患者ストレスを抑制する意味で重要であり,消化管運動抑制などの副作用に留意する必要があるものの,その特性を理解したうえで積極的に行うべきである。
●各薬物の副作用はきちんと整理しておき,投与前に禁忌項目があるかどうかを必ずチェックする。
●適切に鎮静薬,鎮痛薬,抗譫妄薬を使用することは,患者予後の改善にもつながる可能性があることを念頭に管理を行うべきである。
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