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2002年にSCCM*1のACCM*2 task force,ASHP*3,ACCP*4が公表した“Clinical practice guidelines for the sustained use of sedatives and analgesics in the critically ill adult”1)では,譫妄の治療薬としてハロペリドール(セレネース)が推奨されていたが(推奨度Level C),2013年に公表された新たなガイドライン“Clinical practice guidelines for the management of pain, agitation, and delirium in adult patients in the intensive care unit”2)では,「ICU患者の譫妄の期間がハロペリドールによる治療により短縮するというエビデンスはない」と記載されている。しかし,依然としてハロペリドールを使用している施設は少なくないと思われる。
本稿では,ハロペリドールの使用方法,効果,非定型抗精神病薬に焦点を絞って解説する。
Summary
●ハロペリドールの静脈内投与は一般的に行われてはいるが,米国では副作用のリスクのためFDAから認可されていない。
●ハロペリドール静注はエキスパートオピニオンに基づく。
●ICU譫妄の予防において,抗精神病薬が有用かつ安全であるという十分なエビデンスはない。ICU譫妄の予防として推奨される方法は,早期の理学療法のみである(+1B)。
●ICU患者の譫妄の期間がハロペリドールによる治療により短縮するというエビデンスはない。
●非定型抗精神病薬はICU譫妄の治療に有用である可能性があるが,ルーチンに使用されるには根拠が不足している。
●定型および非定型抗精神病薬の使用は,重篤な不整脈や死亡リスクなどの副作用が考慮されるため,慎重に行われる必要がある。
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