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喘息発作では,さまざまな要因により下気道狭窄が生じる(表1)。下気道狭窄が高度で換気に支障をきたし,かつその発作が治療に抵抗し,生命が危険な状態を喘息重積発作とよぶ。
喘息治療については各国独自のガイドラインが多数存在し,その内容もさまざまであるのが現状である。本稿では,我が国唯一のガイドラインである日本アレルギー学会作成の「喘息予防・管理ガイドライン(JGLガイドライン)」1),国際指針としての「Global Initiative for Asthma(GINA)リポート(GINAガイドライン)」2)に重点をおいて喘息重積発作の人工呼吸器管理以外の治療法を解説したい*1。どちらも2012年版が公開されており,本稿ではこの2012年版を参考とした。
Summary
●喘息治療のガイドラインは各国独自のものがある。我が国には日本アレルギー学会作成の「喘息予防・管理ガイドライン(JGLガイドライン)」があり,国際指針としては「Global Initiative for Asthma(GINA)ガイドライン」が重要である。
●選択的β2受容体刺激薬の吸入は強い気管支拡張作用をもち,各ガイドラインともに発作治療の第一選択と位置づけている
●重症例ではβ2受容体刺激薬の吸入に加えてグルココルチコイドの全身投与や抗コリン薬の吸入が推奨される
●メチルキサンチン製剤の評価はガイドラインにより異なる。JGLガイドラインは使用を推奨する立場であるのに対し,GINAはより消極的な立場をとっている。いずれも血中濃度モニタリングの必要性を指摘している。
●その他の薬剤や侵襲的治療については,治療効果を実証するに足るエビデンスの蓄積はない。
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