臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
XI.免疫・アレルギー・膠原病
問題となるケースの治療
221.気管支喘息重積状態
可部 順三郎
1
Junzaburo Kabe
1
1国立病院医療センター・呼吸器科
pp.2588-2589
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218762
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症列
55歳の男子,医師.以前から時々軽度の喘鳴,呼吸困難があり,自分で気管支拡張薬の吸入,内服などを行っていたが,今回はなかなかおさまらないので6月17日某院に入院,毎日アミノフィリン(ネオフィリン®)2Aを500mlのブドウ糖に入れ朝夕2回点滴した.21日にはプレドニン®20mgを点滴に加え,デポ・メドロール®40mgを筋注,22日にも同量のステロイドとさらにハイドロコーチゾン100mgを3回管注した.しかし喘鳴呼吸困難はますます強く,酸素(41/m)をマスクで断続的に吸入,不眠のため疲労感つよく,21日夜よりダルメート®,ホリゾン®,アタラックス®,ドグマチール®,さらに塩モヒ1/2Aなどをつぎつぎと使用し,朦朧状態となった.動脈血ガスはpH 7.37,Pao2 78mmHg,Paco2 39mmHg(酸素下),白血球数14,800/mm3,赤血球数535×104/mm3,Hb 15.7g/dl,Ht 47%,脈拍数150〜160/分,血圧は160/80で奇脈が顕著,この状態で本院へ転院して来た.
現症は起坐呼吸,喘鳴つよく,聴診で笛声音をきくが水泡性ラ音はみとめず,チアノーゼはない.胸部X線像に異常はみられない.
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