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特集 気管支喘息重積発作をめぐって
気管支喘息重積発作と気道炎症
Status Asthmaticus and Airway Inflammation
相沢 久道
1
Hisamichi Aizawa
1
1九州大学医学部附属胸部疾患研究施設
1Research Institute for Diseases of the Chest, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.1239-1247
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901379
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はじめに
気管支喘息(以下喘息と略)は,臨床的には可逆性の気道閉塞によって特徴づけられる疾患であり,多くの症例は自然にか適切な治療により改善する.しかしながら,一部の症例では,気道閉塞が急速に進行したり,治療に抵抗性で徐々に進行し致死的な状態に移行する.近年,欧米諸国では喘息死亡率の増加が問題とされている1).わが国でも総体としての喘息死亡率は減少ないし横ばいであるが,5歳から34歳の死亡率をみると増加傾向にある2).致死的な重症喘息発作に対する迅速で的確な治療が喘息死を減少させるために重要であるが,そのためには重症発作の機序を理解する必要がある.現在,喘息の基本的な病態生理学的異常は,気道の炎症とその結果生ずる気道過敏性であると考えられている.そこで,喘息重積発作と気道炎症について述べたい.
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