特集 観察の視点にプラスしたい 身体疾患治療薬と向精神薬の相互作用
呼吸器疾患(肺炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患)
中村 満
1
1東京都保健医療公社豊島病院精神科
pp.42-55
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101049
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呼吸器疾患の標準的な薬物療法
●肺炎
肺炎は、肺に増殖した微生物が炎症を引き起こしたもので、市中肺炎と院内肺炎とに分けられます。治療は、原因微生物を特定し、それに応じた抗菌薬を投与します。肺アスペルギルス症などの肺真菌症では、広域抗菌薬の不適切な使用、ステロイド、免疫抑制薬、抗悪性腫瘍薬の使用中、免疫不全状態などの場合の他、肺結核後や塵肺症、気管支拡張症などのために肺構造が破綻して形成された死腔内に真菌が増殖することで罹患します。
肺炎の多くは細菌性で、抗菌薬投与が治療の主体となりますが、重症の場合には、ステロイドや免疫抑制剤、G-CSFを併用することもあります。抗菌薬には、βラクタム系、アミノグリコシド系、マクロライド系、ケトライド系、リンコマイシン系、ストレプトグラミン系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール系、ホスホマイシン系、ペプチド系、キノロン系、ニューキノロン系、オキサゾリジン系、サルファ剤、ST合剤などがあります。
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