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特集 心不全と気道閉塞
心不全による気道閉塞と気管支喘息の鑑別診断
Differential Diagnosis of Cardiac Asthma from Bronchial Asthma
棟方 充
1
Mitsuru Munakata
1
1北海道大学医学部第一内科
1The First Department of Medicine, School of Medicine, Hokkaido University
pp.13-18
発行日 1997年1月15日
Published Date 1997/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901397
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はじめに
気管支喘息は,可逆性気流閉塞・非特異的気道過敏性・慢性気道炎症の存在で定義される1).可逆性気流閉塞の存在は,発作性の喘鳴・呼吸困難といった自覚症状の基礎となっている.一方,左心不全や僧帽弁膜症などに伴う肺うっ血によっても時に喘鳴を伴う発作性呼吸困難が生じ,気管支喘息の症状と類似するため,“心臓喘息”と呼ばれてきた.通常,その鑑別に苦慮することは少ないが,近年,高齢発症の気管支喘息が増加していること,肺うっ血時にも非特異的気道過敏性が惹起されることが明らかにされたこと,両疾患の治療法が大きく異なることなどから,両者の病態生理学的特徴の理解と的確な鑑別は以前に増して重要となっている.
本稿では,心原性肺うっ血時の肺の病態を整理するとともに,両疾患の鑑別に有用な自他覚症状・検査所見などを概説する.
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