特集 急性冠症候群
【コラム】ACSの手術適応外科医の立場から―PCI,CABG,OPCABの評価とその比較
西川 幸作
1
,
田端 実
1
Kosaku NISHIGAWA
1
,
Minoru TABATA
1
1榊原記念病院 心臓血管外科
pp.126-128
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100506
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急性心筋虚血を呈する臨床症候群である急性冠症候群acute coronary syndrome(ACS)に対しては,虚血の軽減と急性心筋梗塞への移行防止を目的として,薬物治療に加えて冠動脈血行再建が行われる。ACSの診断・治療においては,基本的に循環器内科医がgate-keeperとなる場合がほとんどであるうえに,早期に血行再建を行うことの有効性が証明されているため1),低侵襲かつ虚血解除に要する時間の短い,経皮的冠動脈インターベンションpercutaneous coronary intervention(PCI)が,第一選択の地位を確立している。
では,いかなるACS症例が,外科的治療,すなわち冠動脈バイパス術coronary artery bypass grafting(CABG)の適応となるのか?ACSに対する血行再建について,直接的にPCIとCABGの比較検討を行った報告は少なく,議論の残るところではあるが,本稿では外科医の立場から,現行のガイドラインなどもふまえ,ACS,なかでもSTの持続的上昇を示さない非ST上昇型急性冠症候群non-ST elevation ACS(NSTE-ACS)の手術適応について私見を述べたい。
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