特集 急性冠症候群
【コラム】IABP/PCPSの使い方―あくまで“補助装置”であることを念頭に,適応となる症例を的確に判断する
田中 寿一
1
,
香坂 俊
2
Toshikazu TANAKA
1
,
Shun KOHSAKA
2
1東京慈恵会医科大学 循環器内科
2慶應義塾大学 循環器内科
pp.130-137
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100507
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昨今,大動脈内バルーンパンピングintra-aortic balloon pumping(IABP)や経皮的心肺補助percutaneous cardiopulmonary support(PCPS)をはじめとした補助循環装置が広く普及しており,急性冠症候群acute coronary syndrome(ACS)のなかでも,ハイリスク症例や心原性ショック・心不全合併症例で頻繁に用いられている。
しかし,すべての患者でこうしたデバイスがルーチンに推奨されているわけではない。実際にこの数年で,IABPをルーチンに行ったとしても,予後の改善に結びつかないことを示唆する臨床試験の報告が相次いでいる。
本稿では,現在何気なく汎用されているIABP,そしてその延長上にあるPCPSに対し,症例の選択やその適応を吟味する。
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