CABG 2009年
標準術式としてのOPCAB OPCABを標準術式としたCABGの手術成績向上の試み
渡邉 善則
1
1東邦大学医療センター大森病院 心臓血管外科
キーワード:
人工心肺
,
冠状動脈バイパス術
,
選択的手術
,
治療成績
,
緊急手術
,
血管移植
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
Keyword:
Coronary Artery Bypass
,
Heart-Lung Machine
,
Treatment Outcome
,
Elective Surgical Procedures
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
,
Vascular Grafting
pp.24-27
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009071780
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冠状動脈バイパス術(CABG)220例を、心拍動下(OPCAB)導入初期の122例(男93例・女29例・平均65.5歳:A群)と後期の98例(男85例・女13例・平均64.9歳:B群)に分け、成績を比較した。OPCAB施行はA群94例、B群79例、心停止下はそれぞれ19例、11例であった。OPCABから心停止下手術に術式転換したのはA群6例、B群1例で、術後経過には問題なかった。OPCABの吻合数はA群平均2.7本、B群3.0本で、A群では心停止下手術と有意差はなかったが、B群では心停止下より有意に少なかった。術後合併症は、A群で脳梗塞2例、術後肺炎による呼吸不全1例、肺塞栓症1例、B群は縦隔洞炎4例、術後肺炎2例であった。予定手術での手術死亡はなかったが、A群の心不全を伴う急性心筋梗塞に対する緊急手術で1例が死亡した。中枢側自動吻合器のPAS・PortシステムはB群の53例に総計69システム用い、術後造影を行った36例46システムのうち45システムの開存(平均4.3ヵ月時)を確認した。
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