特集 呼吸器離脱
「特集 呼吸器離脱」解説―なぜ呼吸器離脱なのか
讃井 將満
1
Masamitsu SANUI
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
pp.851-853
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100485
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昨年夏から秋にかけての編集会議で,Intensivist vol. 1 no. 1で「ARDS」を特集して以来,「呼吸」をテーマにしたものがないので,そろそろ待望の「人工呼吸」を扱うべきではないかというアイデアが提供された。それをもとに,私が第一次企画案を提出し,プレゼンテーションを行った。人工呼吸のモード,メカニクス,グラフィック,生理学とエビデンス…。何かしっくりこない。巷に溢れる各種の人工呼吸に関する書籍や雑誌と,どのように差別化をはかるか,どうしたら家でじっくり読んで「この雑誌,凄い」と唸ってもらえるか,どうしたらIntensivist誌の基本理念を壊さずにICUのベッドサイドで参照してもらえる気軽さをもたせるか,などの難問が編集委員の頭を悩ませた。「人工呼吸」はやめて,「ICUにおける呼吸器疾患」と題して呼吸器疾患の各論を扱おう,という意見も出たが,皆の顔は晴れない(注1)。
午後7時から始まった会議も時間が流れ,口数も減り,全員が帰宅の電車の時間を気にし始めた頃,委員の一人が「ウィーニングで1冊できないだろうか」とつぶやいた。その瞬間に,その場の全員の頭上15cmにパッと明かりが灯り,見慣れた編集部の会議室が急に明るくなった(ような気がした)。その後,堰を切ったようようにアイデアが湧いてきて第一次企画案が完成し,全員終電に間に合った(注2)。
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