特集 呼吸器離脱
8.人工呼吸器離脱に有用な指標,呼吸器モニター―Part 1:呼吸器離脱を予測する指標:歴史的変遷
南 太郎
1
Taro MINAMI
1
1Memorial Hospital of Rhode Island, Alpert Medical School of Brown University
pp.815-818
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100479
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「25年前は」とMartin J. Tobinは始める。「人工呼吸器からの離脱は看護師と呼吸療法士の仕事で,医師はほとんど関心を示さなかった。人工呼吸器からの離脱は科学的な疑問を呈するに値する分野だと思われていなかったのだ。それがまったく変わってしまった。集中治療の分野で,これほどまでに変化を遂げた分野もないだろう」(拙訳)1)
今を遡ること20年以上前の1991年に「経験のある医師にとって人工呼吸器からの離脱の結果を予測することは可能だろうが,簡単に測定でき,広く適用できる予測指標を用意することが望ましい」2)と始まる論文が,YangとTobinによって発表された。彼らの論文から20年,現在に至るまでさまざまな指標が提唱されてきた。根本にあるのは,客観的な指標を用いることで,より早期の人工呼吸器離脱を可能にし,また,人工呼吸器離脱に失敗する群を早期に見つけ出そう,という意図である。
本稿では,そのなかでいくつか重要なものについて述べる。
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